AIに仕事を奪われないために、難易度も低くニーズの高い電気工事士資格を取得しよう
株式会社野村総合研究所は、日本の労働人口のほぼ半数が就いている職業で、今後10~20年の間にAIがとって代わるという見解を2015年12月2日に公表しました。そんななか、AIがどれだけ浸透してきても、「電気工事士」は影響を受けない貴重な資格です。また、今後も電気工事に対するニーズは拡大すると見込まれています。ここでは電気工事士の資格について詳しく紹介します。
電気工事士とは
電気工事士は国家資格で、電気設備の工事や取扱いを行います。電気工事士法で電気工事士について定められており、工場、ビル、商店や住宅などの電気設備の安全を担保するため、電気工事士でなければ行えない電気工事があるのです。電気工事士資格は第一種、第二種に分かれており、「第一種電気工事士」「第二種電気工事士」が正式名称です。
電気工事士の仕事内容、資格を取得するメリットや活躍シーンについて
ここでは、電気工事士の仕事内容や、資格を取得するメリット、活躍シーンについて紹介します。
仕事の内容
仕事内容は、大きく「建設電気工事」と「鉄道電気工事」に分かれます。建設電気工事は電柱から工場、ビル、家庭まで電線を引き、施設内で電気が使えるようにする「外線配線工事」、施設内に電源やケーブルを配置して、工場や家庭で電気製品が使えるようにする「屋内配線工事」「冷暖房設備工事」などがあります。一方、鉄道電気工事は電車が安全に走行できるようにするもので、変電所のメンテナンスなどを行う「変電設備工事」や、電車に電気を供給する「線路工事」「駅構内の電気設備のメンテナンス」工事などが主な仕事内容です。
資格を取得するメリット
電気工事士は専門的な資格であり、法律で定められた電気工事は工事士でなければ行えないのです。現状でも電気工事士のニーズは高いのですが、今後も電気工事に対する需要は拡大していくと見込まれるため、工事士を必要とする企業への就職や転職等にはメリットがあります。また、日本では少子化が進んでおり、電気工事士不足が予想されるので、将来的なニーズはさらに高まっていくでしょう。専門的資格を取得することで、昇給も期待できます。また、第一種は実務経験が重視されることもあり、活躍の場がさらに広がるので、資格取得により、第二種以上の高収入を期待できます。
活躍するシーン
建設電気工事はさまざまな建設物が活躍場所で、「変電設備の配線」「屋内配線」「設備機器の取り付け」などの屋内外電気設備の設計・施工が仕事内容です。鉄道電気工事は鉄道が活躍場所で、「線路工事」「信号システムのメンテナンス」「駅構内の自動改札装置・電光掲示板などの施工やメンテナンス」が仕事内容になります。鉄道電気工事で活躍するためには、種々の条件を満たす必要があります。
電気工事士資格の種類とできること
ここでは、電気工事士資格の種類と、それぞれの資格でできることを解説します。
第二種電気工事士
第二種電気工事士は一般住宅や小規模施設の電気工事が主な仕事で、600V以下の一般用電気工作物を取り扱うことができます。仕事内容はスイッチやコンセントの配置、設計図どおりに電気工事が行われているかをチェックすることなどです。第二種資格に有効期限はありません。
第一種電気工事士
第一種電気工事士は600V以上から最大500kW未満の自家用電気工作物を取り扱うことができます。仕事内容は第二種電気工事士が工事できる場所に加えて、工場、ビル、病院、商業施設など大規模な施設での電気工事を行うことができます。さらに、高圧送配電線路の電気工事も行えます。ただし第一種資格は有効期限があります。5年ごとに経済産業大臣指定機関の定期講習を受けて更新手続きが必要となります。
種類別の電気工事士資格の試験内容
第二種電気工事士
第二種電気工事士の試験は筆記試験と技能試験に分かれています。筆記試験では「電気に関する基礎理論」「配電理論及び配線設計」「電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具」「電気工事の施工方法」「一般用電気工作物の検査方法」「配線図」「一般用電気工作物の保安に関する法令」から出題されます。
技能試験では「電線の接続」「配線工事」「電気機器及び配線器具の設置」「電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具の使用方法」「コード及びキャブタイヤケーブルの取付け」「一般用電気工作物の検査」などから出題されます。
第一種電気工事士
第一種電気工事士の試験も筆記試験と技能試験に分かれます。筆記試験では「電気に関する基礎理論」「配電理論及び配線設計」「電気応用」「電気機器・蓄電池・配線器具・電気工事用の材料・工具・受電設備」「電気工事の施工方法」「一般用電気工作物の検査方法」「配線図」「発電施設・送電施設及び変電施設の基礎的な構造及び特性」「一般用電気工作物・自家用電気工作物の保安に関する法令」から出題されます。
技能試験では「電線の接続」「配線工事」「電気機器・蓄電池及び配線器具の設置」「電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具の使用方法」「コード及びキャブタイヤケーブルの取付け」「自家用電気工作物の検査」「自家用電気工作物の操作及び故障箇所の修理」などから出題されます。
受験資格、受験方法や合格基準など
第一種、第二種ともに、受験資格は特に必要とされておらず、インターネットまたは郵送で試験を申し込みます。第二種は1年に上期と下期の2回、第一種は1年に1回、試験が実施されます。なお、第一種電気工事士の免状申請には、試験に合格するだけではなく、3年以上の実務経験が必要です。筆記試験は、CBT方式またはマークシート方式の四肢択一です。100点満点でおおむね60点以上得点することで合格になります。技能試験は事前に公表される候補問題から1題出題されます。配線図で与えられた問題を、持参した工具を使い支給材料で時間内に完成させることが合格の条件となっています。
種類別の合格率推移や難易度
ここでは、種類別の合格率推移や難易度について解説します。
第二種電気工事士の合格率推移
第二種電気工事士の令和元年度から4年度までの筆記試験と技能試験の合格率の推移は以下のとおりです。
筆記試験受験者数・合格率/技能試験受験者数・合格率
令和元年度:122,266人・65.9%/100,379人・65.3%
令和2年度:104,883人・62.1%/72,997人・72.4%
令和3年度:156,553人・59.2%/116,276人・72.8%
令和4年度:145,088人・56.0%/97,659人・72.6%
筆記試験の4年度の合格率の平均は60.8%、技能試験は70.8%になっています。おおむね6割以上の合格率で、技能試験の合格率は、令和元年度を除き、筆記試験よりもおおむね10%以上高い状況です。
第一種電気工事士の合格率推移
第一種電気工事士の令和元年度から4年度までの筆記試験と技能試験の合格率の推移は以下のとおりです。
筆記試験受験者数・合格率/技能試験受験者数・合格率
令和元年度:37,610人・54.1%/23,816人・64.7%
令和2年度:30,520人・52.0%/21,162人・64.1%
令和3年度:40,244人・53.5%/25,751人・67.0%
令和4年度:37,247人・58.2%/26,578人・62.7%
筆記試験の4年度の合格率の平均は54.5%、技能試験は64.6%になっています。筆記試験はおおむね5割、技能試験はおおむね6割以上の合格率です。技能試験の合格率は、令和4年度を除き筆記試験よりも10%以上高い状況です。
技能試験は第二種も第一種も6割以上で高い合格率ですが、第一種の筆記試験は合格率が5割と低いことが特徴です。いずれにしても、電気工事士試験はそれほど難易度は高くなく、勉強もそれほど困難ではないでしょう。専門的な資格が自分のものになるのであれば、ぜひこれを機会に頑張って勉強してみませんか。
ニーズが高く将来性も明るい「電気工事士資格」を取得しませんか
電気工事士資格はニーズが高く将来性が明るい資格です。資格を取得することで昇給を期待できるでしょう。また、リタイアした高齢者の再就職は難しいのが現実ですが、電気工事士の資格があれば、年齢に関係なく再就職も比較的スムーズにできるでしょう。あなたも就職、転職を有利にするために、電気工事士の資格を取得して、キャリアアップにチャレンジしませんか。