注目の資格「機械保全技能士」取得のメリットや難易度を解説

機械保全技能士の資格取得のメリット

国家検定と一言でいってもその試験は130種類もあります(2021年11月時点)が、そのなかでも受験者数が多い資格の一つが「機械保全技能士」です。機械保全技能士は製造業などへの転職を検討している人にとっては注目の資格ですが、具体的にどのような資格なのでしょうか。この記事では、機械保全技能士の資格について、取得するメリットや活躍が期待できる場所、試験の内容や難易度などを詳しく解説します。

そもそも機械保全技能士とは

機械保全技能士とは機械保全の知識や技能を身に付けることで得られる資格です。機械保全とは機械を安全かつ正常に運転できる状態に維持することをいいます。工場で使用される設備が故障したり劣化したりすることがなく正常に稼働するように予防することは、仕事を滞りなく進めるためには必須の作業です。そのため、メンテナンスなどを行って機械のトラブルを防ぐ機械保全技能士の役割は大きく、職業能力開発促進法に基づいて実施されている重要な資格となっています。

 ちなみに、職業能力開発促進法とは、労働者の職業能力の向上や職業の安定を図るために、職業訓練や職業能力検定の内容を充実させることを定めた法律です。2021年11月現在で130種類ある技能検定試験は、この職業能力開発促進法のもとで実施されていて、機械保全技能士は職業能力開発促進法に基づく指定機関である公益社団法人日本プラントメンテナンス協会により実施されています。

機械保全技能士の具体的な仕事内容や取得するメリット、活躍が期待できる場所とは

機械保全技能士の資格取得に向けた勉強をすると、設備や電気回路に関する知識や機械の異常を診断するスキルなどを習得できます。そのため、資格取得者はその知識などを活かし、工場にある設備の保全やトラブル時の対応といった保全業務を行うことが可能です。
具体的には、工場に備えられている機械のデータを扱う業務やトラブルが発生したときの対応などに携わることができます。さらに、工場で使用されている設備のメンテナンスをどのように行うかを決めたり、メンテナンスに関する計画を立てたりすることも機械保全技能士の仕事です。 ほかにも、生産に関わる部署と機械保全を行う部署の窓口としての役割や、機械を扱う外部の企業とのコンタクトや打ち合わせなど行うこともあります。

就く仕事としては、例えば、製造業を行う会社などに勤務し、工場の保全を担当する部署で保全員として働いたり、顧客先の現場で機械の点検や修理などを行うサービスエンジニアとして活躍したりするケースがおおくなっています。 このような仕事を担う機械保全技能士の資格を取得すると期待できるメリットは大きく2つあります。1つ目は、機械保全に関する知識やスキルを基本からしっかり学べることです。知識やスキルを基本から正しく習得しておくことは、仕事をミスなくスムーズにこなすためにも、業務のレベルを高めていくためにも重要となります。2つ目は、「機械保全技能士」として名乗れるようになることです。機械保全技能士は公的に認められた資格であり、機械保全に関するスキルがあることを客観的に証明できるものです。

就職活動や転職活動のときには履歴書に記載することができ、自分の魅力として企業へアピールできます。また、就職や転職した後に機械保全技能士の資格が人事考課で有利に働くこともあり、昇進に期待が持てる点もメリットです。加えて、資格取得者に資格手当を支給する会社もあり、給料が上がる可能性もあります。

dummy_detail04

機械保全技能士の資格の種類と違い

機械保全技能士の資格は、機械保全の基礎的な業務を行うにあたって必要な基本の知識やスキルの習得を求める基礎級のほか、4つの等級に分けられています。具体的には、レベルが高いものから順に、特級、1級、2級、3級の4つで、特級は、保全に関わる業務の監督者として働く管理職の人を対象としている資格です。

また、1級は製造業の企業の保全部門などでリーダー的な役割を担っている人を対象としています。一般的に保守業務などはチームで行われることが多く、チームでリーダーとして活躍するためにはチームのメンバーにアドバイスを与えたり指導したりすることも必要です。そのため、1級には機械保全のより高い知識やスキルを習得していることが求められます。

 2級は保全に関わる知識などを必要とする新入社員から中堅レベルの社員などが対象です。3級は初級レベルの知識やスキルの習得が求められる資格で、学生や新入社員などを対象としています。1級と2級には機械系保全作業、電気系保全作業、設備診断作業の3種類の試験区分が、3級には機械系保全作業と電気系保全作業の2種類の試験区分があります。

機械保全技能士の試験問題の内容について

機械保全技能士の試験では特級と1~3級のすべてに学科試験と実技試験があります。まず、特級の学科試験で出題される科目内容は大きく8つです。具体的には、生産活動の流れや日程計画、各種管理などに関する「工程管理」、作業測定の方法や改善、作業の標準化などに関する「作業管理」、品質管理の方法、管理図や抜取検査の種類や活用などに関する「品質管理」に関する内容が出題範囲となっています。

さらに、原価管理の考え方や原価低減に関する「原価管理」や作業の安全衛生管理や環境保全、公害防止に関する「安全衛生管理及び 環境の保全」も出題範囲です。 加えて、設備管理の考え方や設備の点検方法と診断などに関する「設備管理」、生産システムや機械の工作法、測定や検査の機器などに関する「機械保全に関する現場技術」も学科試験の出題範囲に含まれています。ちなみに、試験の出題形式は五肢択一式で、解答方式はマークシート方式です。

実技試験では工程、作業、品質、原価、安全衛生、設備の各管理と作業指導に関する内容を出題範囲とする計画立案等作業試験が行われます。計画立案等作業試験とは紙などを使って課題などを図面や文章などで掲示し、計画立案や予測などを行う試験です。 一方、1~3級の学科試験では「機械一般」「電気一般」「機械保全法一般」「材料一般」「安全衛生」が出題問題の共通科目とされています。これにプラスして、1~2級は「機械系保全法」「電気系保全法」「設備診断法」のいずれか1つ、3級は「機械系保全法」と「電気系保全法」のどちらか1つの選択科目の受験も必要です。試験の出題形式は1~2級が真偽法と四肢択一法、3級が真偽法となっています。解答方式はいずれの等級もマークシート方式です。

実技試験の出題範囲は、1~2級が機械系保全作業と設備診断作業それぞれの判断等試験と電気系保全作業の製作等作業試験、3級は機械系保全作業の判断等試験と電気系保全作業の製作等作業試験のどちらか1つを選択する試験となっています。 基礎級の試験は、「機械の種類」「機械の主要構成要素の種類」「主な機械保全の方法」「安全衛生に関する基礎的な知識」の4つを試験範囲とする学科試験と、機械系保全作業の判断等試験の実技試験です。ちなみに、判断等試験とは対象とされているものやその場所の状態などについて資料などを参考にしながら判別や判断、測定などを行う試験をいいます。

製作等作業試験とは実際に物や回路を組み立てたり、もとの状態に戻す修繕を行ったりと実際に作業を行う試験です。

受験に必要な条件や受験方法

機械保全技能士の試験を受験するのに必要となる条件は等級によって変わります。


まず、特級を受けるためには機械保全技能検定1級に合格し、なおかつ5年以上の実務経験を持っていることが必要です。次に、1級を受けるためには7年以上の実務経験が求められていますが、2級合格者であれば2年、3級合格者であれば4年の実務経験があれば受験が認められています。また、既定の学校を卒業していたり、職業訓練を修了していたりする人は内容に応じて必要となる実務経験の長さが短くなります。

続いて、2級を受けるためには2年以上の実務経験が必要です。ただし、機械保全技能検定3級に合格していたり、既定の学校の卒業や職業訓練の修了をしていたりすれば実務経験がなくても受験できます。

最後に、3級は特に条件はなく、年齢学歴問わず受験可能です。ちなみに、各試験の合格レベルと同等以上の能力が認められた場合には試験の免除を受けることもできます。 条件を満たしていて受験する場合、受験申請が必須です。受験申請にはインターネットと郵送の2つの方法があります。試験の開催回数は2022年度の場合、3級が2回、特級と1~2級は1回です。

機械保全技能士の資格試験の難易度と合格率

機械保全技能士の資格試験の受験者数は一時的に減少した年はあるものの2011年からの10年間を見ると増加傾向にあります。ただし、数ある国家技能資格のなかでも人気の高い資格だからといって必ずしも難関資格というわけではありません。2021年度の合格率は、特級が39.5%、1級が27.7%、2級が32.2%、3級が71.2%となっていて、3級は比較的難易度が低くなっています。

反対に特級などはそれなりの勉強や対策が必要です。ちなみに、いずれの等級も合格基準は同じで、加点法による学科試験では100点満点中65点以上を取ること、減点法による実技試験で41点以上の減点をされないことが求められています。

製造業で働くなら機械保全技能士は活躍が期待できる資格

機械保全技能士の資格は、2級以上の場合だと試験を受けるのに実務経験などが必要となる場合もあります。しかし、3級は誰でも試験を受けることができ、難易度も比較的低く挑戦しやすい試験です。機械保全技能士の資格は就職活動や転職活動、さらには就職した後にも昇進や昇給などのメリットが期待できる資格となっているため、製造業で働くことを考えているなら、資格取得を目指すとよいでしょう。

dummy_detail06

ジョブコンスキル運営 担当

ジョブコンスキルは、ブルーカラーの資格に興味がある方向けの情報メディアです。
製造・運送・警備・建築土木の専門求人サイト「ジョブコンプラス」が運営しています。
資格取得に必要な情報や取得後に活躍できるお仕事など、お役立ち情報満載です。是非ご覧ください!